iPadとFlashとHTML5 & EPUB
ソダーバーグかEL&Pか、ってなタイトルで失礼します。ここのところiPad関連の話が続きますが、なにせ旬の素材ですからね。傷まないうちに料理しなければ。
- AppleがFlashをサポートしない理由
iPadの発表により、AppleがiPhone OSでFlashをサポートしないことを確信しました。そもそもAppleは、コードを解釈する機構(ex. JITコンパイラ)をiPhoneアプリに実装してはならぬとiPhone SDKに定めているので、FlashをiPhone OSで動かす/App Storeで販売することは難しかったわけです。Adobeは、ActionScriptをARMネイティブコードに変換する「Flash Professional CS5」を投入し、この問題というか難題をひとまずは回避しましたが、ブラウザと連携してこそのFlashですからね。問題の本質的な解決には遠いと思います。
Appleのツレない素振りは、iPhoneのハードウェアスペックに余裕がないからという見方もありましたが、iPhone 3GSのスペックからすると解決策はあるように思えます。iPadもまた然り。理由は他にある、と考えるのが妥当でしょう。
- EPUBと「埋め込みSWF」
これは推測ですが、AppleはFlash的な実装をHTML5で代替させたいと考えているのではないでしょうか。以前、WebKitはAppleの戦略的製品だと書きましたが、ビデオや音声、ベクターグラフィックスの処理をHTML5でカバーするのだとすれば、Appleの行動も説明がつきます。カジュアルゲームのようなコンテンツも、CanvasとSVGである程度賄えそうですし。そういえば、iPadの紹介ページ(動画あり)はFlashなしのHTML5で記述されてますよね……
iPadといえば、iBooksの電子書籍フォーマットとして採用される「EPUB」にも、Flash絡みの話があります。たとえば、Adobeの電子書籍ビューア「Digital Editions」には、埋め込みSWFのための拡張が施されています。前述の流れでいえば、iBooksがサポートするEPUBでは埋め込みSWFはスルーされるでしょうね。ちなみに、Open Publication Structure(OPS)2.0ではSVG 1.1をサポートしていますが、AVGアニメーションとスクリプティング機能を使うべからずと既定されていますから、そのまま埋め込みSWFの代替にはならないでしょうが。
- やはりiPadに“ブラウザ上でFlash”はない?
HTML5にいち早く対応したWebKitを擁し、iPhone OSで頑なにFlashのサポートを拒んだAppleのこと、iPadでも同様の対応を取ることは確実でしょう。Appleの一貫した対応は、HTML5時代の到来を確信したうえでのことと思います。
一方のAdobeは、Flash Professional CS5でiPadのサポートを表明していますが、これは流れに逆行する行為かと。やはり、“オープン&標準”という大義名分のあるHTML5への移行……といいますか、現在Flash向けに提供しているオーサリングツールでHTML5ベースのコンテンツを生成できるようにする、という策をとるべきなのだろうと思います。そうすれば、開発者とユーザーの両方がハッピーだと思うのですが、やはりSWFという成功体験がそうはさせないのですかねえ。
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