ATOKの定額制サービス開始に思うこと
本日8日、ジャストシステムがMac版の「ATOK定額制サービス」を開始しました。Windows版とMac版のどちらも費用は300円/月からと、イニシャルコストの低さが特徴です。利用は1ヶ月単位となりますが、1日あたり約10円で最新版ATOKの機能を利用できるわけですから、「お試し」には最適です。
従来どおりパッケージ版を購入した場合と比べていつまでオトクに使えるかですが、ATOK 2009 for Windows(通常版は6615円、ここでは端数を切り捨て6600円で計算)を比較対象にすると22ヶ月、最初の1ヶ月は無償試用版を使うとして23ヶ月目に費用が並びます。2年以内にアップデートすると考えれば損はありません。パッケージ版を購入しておけば優待価格でバージョンアップできますが、いちばん安いダウンロード版でも4725円ですから、2年未満でバージョンアップを繰り返すユーザは定額制を選択したほうがトクということになります。期間1年のスターターパックを選べば、さらに安く(ダウンロード版で3360円)あげることができます。
そのような計算をして気になることがあり、かつて群雄割拠(?)していた日本語IMEの現在をチェックしてみました。わかっていたつもりですが、氷河期さながらですね。MS-DOS時代に隆盛を誇った「松茸」は10年前からアップデートしていませんし、根強い人気があったEGBRIDGEも昨年惜しまれつつ終焉していますし。VJEもWXGも、数年前に歩みを止めています。ワープロソフトOASYSに付属の「Japanist」など一部例外を除けば、コンシューマOSにアドオンする形の有償日本語IMEは、ATOKを除き全滅に近い状況です。
老若男女がPCを使うようになったいま、2000年以前と比べて日本語IMEの市場は拡大しているはずですが、商用製品としての採算は悪化の一途を辿りました。1999年頃にCanna(NEC)とVJE(開発元のバックスは2006年に休眠化)について取材したとき、PC向け日本語IMEを採算にのせることは非常に厳しいとの現場の声を聞いていましたから、現在の状況はある程度見当が付いていましたが……それにしても、ここまで冷え込むとは。
話は戻ってATOK定額制サービス、個人的には「微妙」だと思います。位置付けとしては廉価版ですから、不正対策防止やユーザ数増加を狙っての判断なのでしょうが、リッチな辞書を持つ日本語IMEの選択肢がATOK以外に存在しない以上、敢えて値段を下げる必要性はないのではないか、と。多くのユーザが出費にみあうメリットを商用日本語IMEに見出せなかったから、現在の氷河期があるのではないかと。既存ユーザにしてみれば、わずかに安くなったところで喜びはありません。多少値段は張っても、「その気にさせられる新機能」にこそこだわってほしいのですが。
- 7件のコメント
その根拠は? 参考までに、ニュースソースを示していただけますか?
ジャストシステムの決算発表で、具体的な数字は出ていないような。
私見ですよ「し・け・ん」。だから「思う」って書いてあるじゃないですか。
根拠?それも書いてあるし。
「格段に増えた」という根拠、具体的な数値を示してほしい。あなたの「し・け・ん」に興味はない。
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というのも、Windowsには標準でMS-IMEがあるので、長いことPCを使っている人にとっては、「PCを買ったらまずATOK」という程当たり前の存在であっても、ここ10年くらいのネットブームから入った人はATOKを知りません。
そこに来て、昨年MS-IMEの変換のバカさ加減が話題になったとき、代替ソフトとして注目を浴びたのがATOKでした。
その話題を勝機と見て便乗したのか、それとも偶然か知りませんが、すぐに月額サービスを開始したのは神懸かり的なタイミングだと思います。
ユーザーにとっては毎年新しいバージョンが使えますし、メーカーにとってはいつも安定してお金が舞い込んできますので、双方メリットがあって良いシステムだと思いますよ。